心に残った言葉・表現集

自分の中で良くも悪くも響いた言葉集

恋の聖地: そこは、最後の恋に出会う場所。/瀧羽麻子のトキちゃん

「別に、ひっぱってかなくたっていいじゃないの」

と、祖母は言った。

「どんなに強く見えたって、好きにやってるように思えたって、誰だって動けなくなるときはあるもんだよ。そのときに、そばにいてあげられたらいいんだよ。それだけでだいぶ助かる」

 

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恋の聖地: そこは、最後の恋に出会う場所。/窪美澄のたゆたうひかり

「夢……見てた」ぼんやりした声で言う。

「おまえ、白いワンピースよく来てただろ。小さなころ。母さんがミシンで縫った。それ着た小さなおまえがそこにいるのかと思った」

 そう言いながら、私が来ているワンピースを指さす。水色の薄いストライプが入っているが、まぶしくて父からは見えないのかもしれないと思った。窓にカーテンをゆっくりと引く。父の声はかすれて、話し方もゆっくりだ。今日は憎まれ口も叩かない。

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恋の聖地: そこは、最後の恋に出会う場所。/千早茜のしらかんば

「でも、叔父さんが言ってましたよ。誰かに惚れるってことは馬鹿みたいなことだって。でも、僕は馬鹿みたいなことすらしたことがないので、少し羨ましいです」

「私はもうこんな馬鹿みたいなことはこりごり。でも、こりごりって思いながら、またどうせ誰か好きになって、馬鹿みたいなことをくりかえすのよ」

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